私たちのものづくり #2 誇り高き“バニラ商人”が運ぶ、マダガスカル産の特別なバニラ

私たちのものづくり #2 誇り高き“バニラ商人”が運ぶ、マダガスカル産の特別なバニラ

こだわりが詰まった定番フレーバー

ハンデルスベーゲン自慢の定番フレーバーのひとつ、「マダガスカルリッチバニラ」。

ベースになるのは、北海道でのびのびと暮らす乳牛が生み出す濃厚なミルクと生クリームに、沖縄産の本和香糖と黒糖をブレンドして加えた濃厚なミルクベース。そこに、こだわりが詰まったマダガスカル産フェアトレードバニラから種を削りとり、さやと一緒にゆっくりと煮出していきます。そうすることで、香料やエッセンスでは出せない本物のバニラの甘く芳醇な香りが生まれ、ハンデルスベーゲンならではの本物のバニラアイスクリームがつくられていくのです。

自然な素材と、シンプルなレシピ

フレーバーの核である、マダガスカル産フェアトレードバニラの素晴らしさとこだわりを伝えたい!そんな今回は、日々私たちにバニラを届けてくださっているCo•En Corporation代表の武末克久さんをお招きし、その魅力についてたっぷりと教えていただきました。

フレーバーの核である、マダガスカル産フェアトレードバニラの素晴らしさとこだわりを伝えたい!
武末克久

武末克久(たけすえ・かつひさ)

農学部の修士課程を修了後、製薬会社の開発部門に就職。911のテロから世の中の理不尽さを感じるようになり、妻のイギリス転勤をきっかけに退職。オックスフォードで国際政治経済学(修士課程)を学ぶ。社会の歪みを小さくするのには企業の行動変容が重要だとの思いから、帰国後は環境経営コンサルタントとして、企業活動に「環境」を組み込む仕事に専念。2017年に退職後、観光で訪れたマダガスカルで森のようなバニラ農園を見学し一目惚れ。現在は自然の力を最大限に活かしてつくられたバニラを日本に紹介することに情熱を燃やす。2019年にクラウドファンディングで資金を集め、2020年に合同会社 Co•En Corporationを設立。バニラの輸入・販売を手がける。

心揺さぶられるバニラとの出会い

日本で流通するバニラのほとんどは、マダガスカルというアフリカ大陸の隣に位置する自然豊かな島国から来ています。

「2017年にプライベート旅行でたまたまマダガスカルを訪問した際、素晴らしいバニラ農園とそこで働く魅力的な人々と出会ってしまいました。人生が変わった瞬間ですね(笑)。以来、その農園からバニラを日本に持ってくるために奔走しています」。武末さんが魅了されたバニラには、ふたつの特別な特徴があったといいます。

心揺さぶられるバニラとの出会い

ひとつ目の特徴は、『アグロフォレストリー』と呼ばれるその農法。農業(アグリカルチャー)と林業(フォレストリー)を組み合わせた造語であり、ひとつの農園に多品種の作物を栽培する農法です。バニラの他にも、パイナップル、バナナ、コショウ、コーヒー、シナモン、ライチなど様々な種類の作物が育てられており、その姿はまるで森のよう。農薬や肥料は使わず、自然の恵みを最大限に活かして育てられています。

「これまで農業はCO2の排出源と言われてきたのですが、アグロフォレストリーはその逆で、CO2の吸収源となっているんです。これってすごいことですよね。そして単純に、緑がまぶしくて本当に美しい光景なんです」と、武末さん。ということは、ハンデルスベーゲンの「マダガスカルリッチバニラ」を食べることで環境保全に貢献していると、言えるのかもしれません。

フレーバーの核である、マダガスカル産フェアトレードバニラの素晴らしさとこだわりを伝えたい!

ふたつ目の特徴は、その流通。日本に輸入されるバニラの9割以上がマダガスカル産だと言われていますが、誰がどのようにつくったか、誰からいくらで買い付けられたのか、その関係性については不透明なものが多いといいます。中には、買い叩きや盗難が横行するというブラックな一面も。そんなバニラ業界で武末さんが出会ったのが、トレーサビリティ(いつ、どこで、誰によってつくられたか等、商品の生産から消費までの過程が追跡可能な状態)が取れており、輸出によって得られた収益の多くが組合員の農家に還元されるという仕組みを持った協同組合のバニラでした。

「彼らは、そこで栽培されたバニラなどの香辛料や、ライチなどの果物を適正価格で買い取り、販売していました。そうすることで、より多くの利益を農家に還元し、地域をより豊かにしようと取り組んでいたんです。非常に感心しましたし、応援したい!と心を揺さぶられましたね」

心揺さぶられるバニラとの出会い

このように、特別な特徴を持ったバニラ。アグロフォレストリーや協同組合の仕組みを通して、地域をより良くしたいという、生産者の思いが込められたバニラにすっかり魅了された武末さん。彼らをビジネスを通して応援していきたいし、彼らがつくる高品質のバニラを日本に届けて、一人でも多くの人に本物のうっとりする香りを味わって欲しいと強く思ったといいます。

「マダガスカルの彼らと日本の皆さんをつなぎたい。彼らのバニラは、持続可能な農業のひとつの具体的な形です。彼らの製品を通して、持続可能な原材料調達やSDGs達成のための取り組みを、日本で広めたいと思っています」

そうして、合同会社Co•En Corporationを設立し、バニラの輸入・販売を手がけ活動している武末さん。扱うのは、単なるバニラではありません。社会的意義を持ったバニラなのです。

ハンデルスベーゲンが惚れ込んだ、誇り高き “バニラ商人”

そんな武末さんと出会ったのが、ハンデルスベーゲンの中野さんでした。

「初めてお会いした時にも、このようにバニラのことを詳しく教えていただきました。誠実に、でも熱っぽく語る武末さんを見ていて、理屈やビジネスではなく『この人の扱うバニラは間違いない』と感じたことを覚えています。すぐに、お取り引きをお願いすることに決めました」

ハンデルスベーゲンが惚れ込んだ、誇り高き “バニラ商人”

バニラを通して生産者と消費者をつないでいる武末さんは、さながら“バニラ商人”。武末さんが信頼しているつくり手から届けてもらうバニラは信頼できるはず、と感じたという中野さんは、商人である武末さんまでもが、バニラの作り手と一緒になって物語を紡いでいるかのようだといいます。

「アイスクリームは、“幸せの象徴”のような食べ物だと思っています。なので、似せた物でなく本物、不透明でなく透明性のあるものを使いたい。武末さんの扱うバニラは、品質はもちろんのこと、我々の抱く『本物のアイスクリーム』のイメージにもぴったり合いました」

そうして、その人柄に惚れ込むようにして始まった、武末さんとのお付き合い。今や、私たちハンデルスベーゲンにとって欠かせない存在です。

魔法のような香辛料

「バニラってとても不思議なものだなあと思うんです。バニラのさやは魔法のスティックで、バニラの種は魔法の粉。アイスクリームに携わるようになってから、そんなふうに感じますね」と、中野さん。

アイスクリームを代表するフレーバーであるバニラは、誰しもが昔から親しんできたとても身近な味と香りで、ポピュラーな香辛料。ですが、その姿形、農園や製法のことを知る人はとても少ない。その事実がなんとも不思議で、バニラという存在が一種の魔法のように感じられるといいます。

「近年、コーヒーやカカオはそのルーツが認知され、農園のことや製造工程、買い付けなんかがオープンになってきました。ですが、香辛料の世界はまだまだこれからなんです」と、武末さん。

「まずは、美味しい!とその品質で選んでもらい、。その後に、産地や生産者といったルーツを知って、興味を持ってもらえたら嬉しいなと思います。生産者と消費者がつながってお互いに関心を持つことは、やがて今起きている社会問題を解決する力にもなっていくはず」。そう話す武末さんの視座は、目の前のバニラに留まらないもっと高いところにあるのだと、お話を伺って感じました。

魔法のような香辛料 魔法のような香辛料

ハンデルスベーゲンでは、そんな、誇り高き“バニラ商人”武末さんが届けてくださる特別なマダガスカル産フェアトレードバニラの良さを最大限に引き出す自慢のレシピでアイスクリームをつくり、皆さまへお届けしています。

本物のバニラを煮出して作るからこその、蓋を開けた瞬間に広がる甘く芳醇な香りとキレの良さ。馴染みのあるフレーバーだからこそ、その違いを感じていただけるはず。ハンデルスベーゲンならではの本物のバニラアイスクリーム、是非一度味わっていただけたら幸いです。

Co•En Corporation

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